とある大手家電メーカーの明日は秋に見えてくる

 先日、日本の大手家電メーカーに勤めている方と話す機会があった。シャープなその方の話によると、台湾の親会社から人がやってきて、事業主分けをしているとのこと。

 台湾の親会社は製造請負事業が中心で、それ以外の事業のビジネスモデルはよくわかっていないのではないかと言うのが彼の所感。私はここに、この会社の明日を知る鍵があると思った。

 企業を買収して相乗効果を高めるには、今の自分にはないものを手に入れる必要がある。にもかかわらず、自分にとって異質なものを目の前にすると思わず否定的に捉えてしまいがち。

 日本側のこの家電メーカーは、ものづくりの考え方やエコシステムの組み立て方にも独自性がある。モノ単体ではなく一連のソリューションとして成功している事業もある。

 仕分けする事業の対象を、製造する「商品群の幅」と考えるのではなく、ソリューションビジネスやエコシステムといった視点を含む、より広い意味での「製造」として捉えるかどうかが、この会社の明日を決めると思う。

 事業仕分けのみならず、台湾の会社による買収手続きはなかなか一筋縄ではいかないらしい。

www.nikkei.com

 慣れた部分に焦点を当てて急ぐより、不慣れな事業こそ大切に、あせらずじっくり取り組んだ方が良いだろう。

 台湾の会社による事業仕分けの後、この家電メーカーの次の方針が見えてくるのは秋ごろではないだろうか。今年後半に出されるであろう方針に、この会社の明日が描かれている気がする。

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